敬語の混乱を招く最大の要因は、尊敬語と謙譲語の混同です。ルールを複雑に捉えすぎず、「動作の主語が誰なのか」に視点を固定すると整理が格段に容易になります。
- 尊敬語:相手の動作を高めて敬意を示す(主語:相手・顧客・上司)
例:「(相手が)ご覧になる」「(相手が)おっしゃる」「(相手が)いらっしゃる」 - 謙譲語:自分側の動作をへりくだることで相手を立てる(主語:自分・自社の人間)
例:「(自分が)拝見する」「(自分が)申し上げる」「(自分が)伺う・参る」
日常のビジネスシーンで頻発する二重敬語の間違いやすい例にも注意が必要です。丁寧に話そうとするあまり、1つの言葉に同じ種類の敬語を重ねてしまうケースが後を絶ちません。
代表的な誤用として挙げられるのが、「ご覧になられる」(正しくは「ご覧になる」)や「おっしゃられる」(正しくは「おっしゃる」)です。また、自社の社長について社外の人に話す際、「〇〇社長様がおっしゃいました」と述べるのは二重の間違いであり、社外に対しては自社の上司であっても謙譲語を使い「社長の〇〇が申しておりました」とするのがビジネスの標準マナーです。