ダイソンという複雑な人物像に息を吹き込んだのは、名優ジョー・モートンだ。彼の見せた真に迫る演技は、単なるSF作品の枠組みを超えた人間ドラマとしての厚みをもたらしている。
巨匠ジェームズ・キャメロン監督は、ダイソンを「冷血なマッドサイエンティスト」ではなく「愛する家族を持つ良心的な技術者」として徹底的に描写した。自宅の書斎で妻や子どもと過ごす穏やかな時間から、自分の腕を切開して機械の骨組みを見せるアーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800を目撃した瞬間の戦慄まで、モートンの表情変化は圧巻の一言に尽きる。罪の重さを理解した彼が、自らの手で研究成果を破壊することを即座に決断するシーンは、本作屈指の名場面と言えるだろう。