渡辺さんの魅力は、俳優業にとどまらない多彩なカルチャーへの情熱にもありました。なかでも学生時代から打ち込んでいたドラムの腕前はプロ顔負けで、ジャズやフュージョンを自在に叩きこなす本格派ドラマーとしても知られていました。
自宅地下に設計されたスタジオには本格的なドラムセットが常設され、日夜リズムの研究に没頭。プロミュージシャンとのセッションライブやジャズフェスティバルへの出演も精力的に行い、音楽関係者からも高い評価を得ていました。スティックを握る姿はどこまでも純粋な音楽少年そのものでした。
また、ゴルフにおいてもシングルプレイヤーの腕前を誇り、スポーツや芸術のすべてに妥協を許さないストイックな生き方を貫きました。何事にも全力を注ぎ、技術を極めようとするその探求心こそが、渡辺裕之という表現者の核となっていたのです。