『下町ロケット』の核となるのが、大田区に社屋を構える中小企業「佃製作所」です。ロケットのエンジン用バルブシステムや心臓人工弁「ガウディ」、農業用ロボットのトランスミッションなど、世界最高峰の精度を誇る部品を作り出す現場のキャスト陣の魅力に迫ります。
阿部寛(佃航平 役):情熱と苦悩を体現した唯一無二のリーダー
元宇宙科学開発機構の研究員であり、ロケット打ち上げ失敗の責任を取って父の町工場を継いだ佃航平。演じた阿部寛は、長身から繰り出す圧倒的なエネルギーと泥臭い叫びで、不屈の経営者を演じ切りました。撮影当時の特番インタビュー等で関係者が明かしたところによると、阿部は現場でテスト段階から本気で声を張り上げ、汗を流しながら周囲のキャスト陣を引っ張っていたといいます。2026年現在も映画・ドラマの第一線で重厚な役柄からコメディまで幅広く演じ分け、日本を代表する名優としての地位を確固たるものにしています。
安田顕(山崎光彦 役):寡黙な職人魂を宿す技術開発部長
演劇ユニット「TEAM NACS」の実力派・安田顕が演じた山崎は、航平の右腕であり佃製作所の頭脳です。普段は物静かで感情を表に出さないものの、実験が成功した瞬間に見せる無邪気な笑顔や、技術への絶対的なプライドを覗かせる瞬間は多くの視聴者の涙を誘いました。安田の繊細な演技力は本作を通じて広くお茶の間に浸透し、その後の多数の主演・助演作への足がかりとなりました。
立川談春(殿村直弘 役):銀行出向者の葛藤と農家への転身
白水銀行から佃製作所へ出向し、のちに正式入社した経理部長の殿村(通称・トノ)。落語界のトップランナーである立川談春が、数字の厳しさと情熱の間で揺れ動く番頭役を見事に演じました。2018年シリーズでは実家の米農家を継ぐ決意をし、物語後半の重要舞台となる農業編への架け橋となるなど、シリーズ屈指の人気キャラクターとして支持を集めました。
竹内涼真(立花洋介 役):オーディションで掴んだ出世作
当時まだ全国区の知名度を獲得する途上だった竹内涼真は、真面目で不器用ながら熱い魂を持つ若手技術者・立花役に大抜擢されました。ガウディ計画編でプロジェクトリーダーとして苦悩しながら成長していく姿は、竹内自身の俳優としての急成長と重なり合い、一躍トップ若手俳優へと駆け上がる契機となりました。