盧山初雄の歩みは、そのまま日本の空手史そのものである。1970年代、空手界を揺るがした「地上最強のカラテ」ブームの中心において、彼は圧倒的な強さと美しさを兼ね備えた組手で観客を魅了した。特に「ローキック(下段蹴り)」の破壊力と精度は、対戦相手の脅威であり続けた。
極真会館における大山倍達との師弟関係は、まさに血の通った濃密なものだった。厳格な指導と死線を潜るような稽古のなかで、盧山は技術だけでなく、大山総裁が目指した「武道空手」の本質を全身で吸収していく。
後に極真会館の組織が分派・変容を遂げるなかで、盧山は原点回帰と「伝統と革新の融合」を掲げて極真館を設立。理念を曲げることなく、一貫して真の強さを追い求める姿勢は、世界中の空手家たちから厚い信頼を寄せられる理由となっている。