鉋の切れ味を支えるもうひとつの心臓部が「刃裏(裏面)」です。鉋の刃裏には中央に窪み(裏透き)があり、先端と両端にわずかな平面部分(糸裏)が設けられています。研ぎを繰り返して糸裏が消失しそうになった際に行うのが「裏出し」です。
鉋の裏出しのやり方は、レール状の金床(玄能台)に鉋の刃先裏側を当て、表側の軟鉄部分を金槌の尖った側(小槌)で慎重に叩きます。硬い鋼部分を直接叩くと割れてしまうため、必ず地金(軟鉄)を叩いて鋼をわずかに押し出すのが鉄則です。
裏出しを行ったら、すかさず鉋の裏押しのコツを実践します。裏押しは、完全に平面が出た「金盤(裏押し用の鉄板)」に金剛砂(研磨剤)と数滴の水を垂らし、刃裏全体を均一に密着させて前後に動かします。これにより、刃先先端に幅0.5ミリ〜1ミリ程度の極めて均一な「糸裏」が蘇り、裏面の完全な平面性が確保されます。