そもそも、なぜカニを「杯」と数えるのだろうか。この疑問の答えは、カニの甲羅の形状にある。「杯」という漢字は、もともと液体を注ぐ盃(さかづき)や器を意味するものだ。カニの甲羅をひっくり返した姿が、まるで水や酒を入れる器のように見えることから、この単位が定着したとされている。
また、イカやタコも同じく「杯」と数えられるが、これも胴体が袋状で器に似ていることが由来だ。日本の先人たちは、自然の恵みを単なる「個体」としてではなく、その形や用途に合わせて見立てる豊かな感性を持っていた。その名残が、現代の食卓にも息づいているのだ。