素材の解体と再構築において、日本のトップパティシエたちは常に先頭を走ってきた。「トシ・ヨロイヅカ」を率いる鎧塚俊彦は、カウンターデセールで培ったライブ感を注入し、素材の温度差や食感のコントラストで栗の存在感を鮮明に浮き彫りにする。作り置きを排し、注文を受けてから組み立てる美学は、モンブランの鮮度という概念を大きく変えた。
一方、「モンサンクレール」の辻口博啓は、和栗の繊細な風味を世界基準のアプローチで昇華させる。和素材との融合や発酵、ロースト香のレイヤードによって、栗が持つ陰影を立体的なガストロノミーへと押し上げる手腕は圧巻だ。両巨頭が提示するクリエイティビティは、日本の洋菓子製菓業界全体に刺激を与え、次世代のシェフたちへと受け継がれている。