速水奨が演じるキャラクターの大きな魅力の一つに、「高貴さと危うさの同居」がある。『Fate/Zero』の遠坂時臣はまさにその典型だ。「常に優雅たれ」という家訓を重んじる魔術師の名門当主でありながら、時代の変化と過酷な聖杯戦争の運命に翻弄されていく姿。その気品に満ちた佇まいと悲劇的な結末のコントラストは、速水の格調高い台詞回しによって鮮やかに際立っていた。
原点を遡れば、『超時空要塞マクロス』のマクシミリアン・ジーナス(マックス)に辿り着く。天才パイロットとしてのクールな自信と、若者らしい青さ。キャリアの初期から速水は、知性と美しさを兼ね備えたキャラクターに命を吹き込む卓越した素質を備えていた。時代が変わっても、気品ある人物像に深みと説得力を与える手腕において、彼の右に出る者はいない。