一般に「関西生コン」と呼ばれる組織の正式名称は、全日本建設運輸連帯労働組合 近畿地方本部 関西地区生コン支部(通称:連帯ユニオン関西地区生コン支部)です。産業別労働組合として結成され、生コンクリートの製造・輸送に携わる労働者を中心に組織されました。
この組織が強大な権力を持つに至った背景には、生コンクリートという製品の特殊性があります。生コンは工場で練り混ぜてから現場で打設するまでに「約90分〜120分以内」という厳格な時間制限があり、固まってしまえば商品価値を完全に失います。建設現場にとって生コンの供給ストップは工事全体の遅延に直結する致命傷となるため、組合側の要求を拒絶しにくい業界構造が存在していました。
長年にわたり組織を率いた武建一(たけ・けんいち)元執行委員長は、中小の生コン製造業者を協同組合にまとめ上げて価格交渉力を高める一方、非協力的な業者に対しては徹底した圧力を加える手法を確立。労使交渉の枠組みを超え、業界全体の生殺与奪の権を握る存在として君臨していきました。