1970年代のデビュー以来、彼女は日本のテレビドラマ史とともに歩んできた。特に代表作となった『渡る世間は鬼ばかり』シリーズで見せた繊細かつ芯のある演技は、全国の茶の間に強い記憶を残した。家族の葛藤や女心の機微を、決して過度な誇張に頼らず、日常の細やかな仕草や目線の揺れで表現してみせる技術は、まさに熟練の技と言える。
時代劇から現代劇、果てはサスペンスまで、求められる役に命を吹き込むその柔軟性こそが、第一線に立ち続けてきた最大の武器だ。役の裏側にある人生の襞までを読み解き、画面の向こう側に生々しい息遣いを届けるスタイルは、今なお後輩俳優たちの大きな目標であり続けている。