「SNSで毎日メッセージを交わしていても、相手の本当の気持ちや体温までは見えてこない」。渋谷のカフェで友人たちとバインダーを開いていた高校生は、ペンを動かしながらそう語る。
24時間絶え間なく届く通知や、タイムラインで過剰に演出された他人の生活。デジタルネイティブとして育った彼らにとって、オンライン上のコミュニケーションは便利である一方、時に息苦しい圧迫感をもたらす。対照的に、一枚の紙の上に刻まれる文字には筆圧やインクの滲み、行間の隙間といった「個人の生々しい温度」がそのまま残る。タイムラグを伴う手渡しの工程そのものが、信頼の証として肯定的に受け取られている。