この異例の盛り上がりはどこから来たのか。背景には、近年の映像作品によるメディア露出が深く関わっている。かつて阿部寛が主演を務め大ヒットを記録した映画『テルマエ・ロマエ』は、日本の銭湯文化を世界に知らしめる大きな契機となった。スクリーンに映し出された日本の公衆浴場ならではの情緒は、多くの視聴者の記憶に鮮烈に刻まれた。
その熱狂は一過性のものでは終わらなかった。現在ではNetflixやAmazonプライム・ビデオといったグローバルな動画配信プラットフォームを通じ、日本の銭湯や温浴文化を題材にしたドキュメンタリー番組やドラマが世界190カ国以上に配信されている。海外の映画ファンが劇中に登場するロケーションを求めて訪れる聖地巡礼ドキュメンタリーの企画も盛んに制作され、その撮影舞台として玉乃湯のような歴史ある公衆浴場が選ばれているのだ。