「花と鳥」の関係性も、ここ数年で著しい変化を見せている。春の訪れが早まり、植物の開花時期が以前よりも前後する中、吸蜜性を持つメジロやヒヨドリの渡り時期や行動範囲に大きなズレが生じ始めた。花粉を運ぶポリネーター(受粉者)としての役割を果たしてきた彼らが、予測不能な開花サイクルにどう応じているのかは、日本の生物多様性を維持する上での最重要課題だ。
さらに注目すべきは、都市の騒音に打ち勝つための「鳴き声の進化」である。自動車の走行音や建設音が絶えない都会では、鳥たちが本来の周波数よりも高い音域でさえずる傾向が顕著になっている。求愛や縄張り宣言のための声が雑音にかき消されないよう、彼ら自身の声帯や鳴き方のピッチを柔軟に調整していることが音響生態学の研究によって立証された。