よく混同される「ソウル」や「ヒップホップ」とR&Bの違いは、音楽構造と表現の重点にある。ソウルがゴスペル由来のシャウトや宗教的な情熱を剥き出しにするのに対し、R&Bは洗練されたメロディラインと裏打ち(オフビート)のリズム感を重視する。
一方、1980年代以降のR&Bはヒップホップと決定的なタッグを組んだ。ヒップホップがサンプリングやラップという「語り」を中心に組み立てられるのに対し、R&Bはどこまでも歌唱技術(フェイクやフェルマータ)と複雑なコード進行で感情の陰影を描く。両者は背中合わせの兄弟であり、現代ではその境界線すらあざやかに融解している。