井上さんを地上波の大型バラエティで見かける機会が減ったことには、いくつかの明確な理由が存在します。決して実力不足による需要低下ではなく、メディア環境の変化と本人のスタンスが合致した結果です。
第一の理由は、「ひな壇トークへの執着がない」という本人の資質です。バラエティ番組が大人数のひな壇芸人によるエピソードトーク中心の構成へシフトしていくなか、井上さんは無理に前へ出て我先に喋るスタイルを好まない傾向にありました。周囲がガツガツと爪痕を残そうとするスタジオにおいて、自然体を貫く井上さんの姿勢は、良くも悪くもテレビ的な即効性とは一線を画していたといえます。
第二に、相方である河本準一さんを取り巻く過去の環境変化に伴い、コンビとして全国ネット番組に過度にしがみつく必要性を感じなくなった点も挙げられます。一連の出来事を経て、コンビとして原点である舞台やコントに軸足を戻す選択をしたことが、現在の落ち着いた活動ペースへとつながっています。