ゴッホが描いた『種を蒔く人』の油彩画には、主に制作時期の異なる2つの代表的マスターピースが存在します。それぞれが所蔵されている美術館と特徴は以下の通りです。
1. クレラー・ミュラー美術館(オランダ・オッテルロー)
1888年6月制作バージョン。緑がかった空に黄金の太陽が輝き、紫と青の大地が広がる、最も色彩豊かな代表作です。オランダ国立公園の美しい自然の中に位置するクレラー・ミュラー美術館は、世界第2位のゴッホコレクションを誇り、本館の中核を担う至宝として常設展示されています。
2. ファン・ゴッホ美術館(オランダ・アムステルダム)
1888年11月制作バージョン。斜めに走る太い木の幹が特徴的で、浮世絵のジャポニスムが最も色濃く反映された一枚です。色彩も6月版より一段と沈着で、緑と黄色のトーンが神秘的な雰囲気を醸し出しています。
このほか、スイス・チューリヒのビュールレ・コレクション(チューリヒ美術館寄託)などにも関連作が収蔵されており、世界各地の名門美術館でその変遷を辿ることができます。