生地づくりにおける最大の課題は、水分による底生地のべたつきである。しかし、直火の熱を直接伝えるフライパンを活用すれば、熱伝導の速さを生かして生地の表面を素早く焼き固めることが可能になる。冷凍パイシートのバター分が急速に溶け出し、幾重にも重なった生地の層が空気を含んでふくらむ現象は、従来のオーブン調理以上のサクサク感を生み出す。
底面のサクサク感と上部のアパレイユのしっとり感という二つの食感が口の中で絡み合う瞬間は、まさに自炊の領域を超えた体験といえる。火加減の微調整さえ怠らなければ、焦げ付くリスクもなく初心者でも確実に成功へと導かれる。