大地震の前触れとしてネットで頻繁に拡散されるのが、いわゆる「宏観異常現象噂」です。「地震雲が出現した」「深海魚が浅瀬に打ち上げられた」「ペットが異常に騒いだ」「井戸水が濁った」といった投稿は、SNSで瞬く間に数万リツイートを記録します。
公的機関や大学研究機関による地震前兆現象まとめの検証結果は以下の通りです。
・地震雲:気象庁や大気物理学者により完全否定。雲は高度数千メートルの気象現象であり、地下数十キロメートルの震源断層と直接リンクするメカニズムは確認されておらず、単なる大気の波状雲や巻積雲の見間違い。
・深海魚の漂着:東海大学などの研究チームが過去数十年分のデータを統計解析した結果、深海魚の漂着と大地震の発生に相関関係はないと結論付けられている。
・動物の異常行動・電磁波異常:微小な地殻変動や電磁波変化を動物が感知する可能性についての基礎研究はあるものの、発生日時や場所を特定できるレベルの前兆指標としては実用化されていない。
後から振り返って「そういえばあの時いつもと違うことがあった」と結びつける人間の心理(認知の歪み)が、前兆現象の噂を肥大化させている側面が大きいといえます。