参拝の心地よい疲労感を癒やしてくれるのが、この地が誇る名物「戸隠そば」だ。戸隠のそばは、日本三大そばの一つに数えられ、水をほとんど切らずに「ぼっち盛り」と呼ばれる独特の小分け形式で提供されるのが大きな特徴である。
標高1,000メートルを超える高冷地で育ったそば粉は、風味と甘みが極めて強い。地元の名店では、早朝から職人が冷た清らかな湧き水を使って丹念にそばを打ち上げる。「つゆをつけずに、まずは戸隠の水とそばの香りだけで食べてほしい」と店主は胸を張る。春の山菜や秋のきのこなど、旬の恵みをあしらった天ぷらとともにいただく一杯は、まさにこの土地の風土そのものを味わう贅沢だ。