現在、厨房で力強い指揮を執る二代目・徐直幸氏の手によって、その伝統の味はさらに研ぎ澄まされている。杭州飯店の真骨頂は、何と言っても極太の自家製麺と豚背脂のバランスにある。毎朝丹念に打たれる麺は、うどんと見紛うほどの太さを誇り、不規則な手もみ縮れがスープをぐいぐいと引き上げる。噛み締めた瞬間に小麦の甘みが弾け、むっちりとした強い弾力が口内を満たす。
合わせるスープは、煮干しと豚骨をベースにした滋味深くキレのある醤油味だ。そこに職人技で振りかけられる大粒の背脂が加わることで、尖った塩気が驚くほどまろやかなコクへと昇華する。「ラーメンWalker」などの名だたる専門誌でも常に最高峰の評価を受けるこの黄金比は、見た目の豪快さとは裏腹に、繊細な計算の上に成り立っている。背脂独特の臭みは一切なく、良質なコラーゲンと甘みが舌の上ですっと溶けていく快感は、他店では決して味わえない。