15人のなかでも、日本史のターニングポイントを演出した将軍たちの統治手法には目を見張るものがあります。とくに評価が分かれる将軍や圧倒的な功績を残した指導者たちに焦点を当てます。
幕府を開いた徳川家康の功績は、単に戦国乱世を平定したことにとどまりません。秀忠にわずか2年で将軍職を譲り「大御所政治」を展開することで、徳川氏による世襲の意志を天下に誇示しました。さらに大名統制の骨格を成したのが、3代・徳川家光による参勤交代の義務化です。各大名に領地と江戸を定期的に往復させ、財政的負担を強いることで反乱の芽を未然に摘み取りました。
長年「悪法」の象徴とされてきた5代・徳川綱吉の生類憐みの令は、最新の歴史研究で評価が一変しています。戦国以来の武断的な気風や命を軽んじる風潮を改め、高齢者や捨て子、行き倒れ人を保護するための「人道的福祉政策」であったことが論証されています。名君として名高い8代・徳川吉宗の享保の改革では、目安箱の設置による民意の吸い上げや小石川養生所の設立、新田開発による増収策など、現実的な財政健全化が進められました。
そして幕末の動乱を締めくくった15代・徳川慶喜の大政奉還は、朝廷に政権を返上することで内戦の激化を防ぎ、欧米列強による植民地化を回避した高度な政治的決断として高く評価されています。