バラにはもともと青色色素(デルフィニジン)を生み出す遺伝子が存在しません。世界中の育種家が何百年ものあいだ交配を繰り返しても、赤、ピンク、黄、白のバラしか生み出せず、純粋な青いバラの育成は植物学の常識として「絶対的な不可能」と断定されていました。
そのため、古くからの西洋の花言葉において青いバラは「不可能」「存在しないもの」「決して手に入らないもの」という意味を与えられていたのです。青いバラを求めること自体が、現実味のない幻想を追い求める愚行の象徴でもありました。
この定説が覆ったのは2004年のことです。日本のバイオテクノロジー技術によって青色色素を持つバラの咲生に世界で初めて成功し、長年の「不可能」が現実のものとなりました。この科学的快挙を受けて、花言葉そのものが「奇跡」「夢かなう」「神の祝福」へと公式に改訂されたという、植物界でも極めて稀な歴史を持っています。