洗練された都会的なセンスと、剥き出しの狂気が同居するバトルを描かせたらMAPPAの右に出るスタジオは稀だろう。芥見下々による原作の持つ独特のドライブ感を、アニメ『呪術廻戦』は見事なまでに増幅させてみせた。肉弾戦の重厚なインパクト、打撃の瞬間に歪む骨格、空間の歪みそのものを武器に変える呪力のエフェクトは、まさに目を見張る完成度を誇る。
体術のリアリズムと超常能力の抽象表現が入り乱れる戦闘シークエンスは、音楽のビートと同期しながら容赦のないテンポで展開していく。死がすぐ隣にある世界で、登場人物たちが何を賭けて拳を振るうのか。芥見下々が紡ぐ乾いた倫理観と、MAPPAのアニメーター陣による躍動感あふれるカメラワークが融合したとき、画面には唯一無二の緊張感が宿る。