瀬戸内海周辺の猫スポットを訪れる前に知っておくべきなのが、地域猫を取り巻く環境の大きな変化です。かつてメディアで「無数の猫が足元に群がる」とセンセーショナルに紹介された時代を経て、現在は動物愛護と住民生活の調和を目指す持続可能な取り組みへと移行しています。
広島県内や尾道市、瀬戸内海の離島部では、地元ボランティア団体や行政、獣医師会が連携し、野良猫へのTNR活動(Trap:捕獲、Neuter:不妊去勢手術、Return:元の場所に戻す)が精力的に推進されてきました。その証として、耳の先端が桜の花びらのようにV字カットされた「さくら猫」が多く見られます。
無計画な繁殖が抑えられた結果、猫全体の生息数は以前のピーク時に比べて適正水準へと落ち着きつつあります。猫たちが過度な飢えや病気に苦しむことなく、一代限りの命を穏やかに全うできるよう管理されているのが現在の姿です。大群で押し寄せるような光景を期待するのではなく、町並みの中で静かに暮らす猫たちの日常を遠くから見守るスタンスが求められます。