公認会計士試験は、マークシート方式の「短答式試験」と、記述式の「論文式試験」の2段階構成となっています。多くの受験生が専門学校のカリキュラムを使いこなせずに足踏みしてしまう要因は、この2つの試験の性質の違いを理解せず、一律の勉強法を適用してしまう点にあります。
短答式対策(財務会計論・管理会計論・監査論・企業法)では、膨大な法令や基準の細部まで問われます。ここで予備校の教材を丸暗記しようとすると、確実に知識のキャパシティを超えます。合格レベルに到達する受験生は、問題集(答練や過去問)の回転を軸に据え、「間違えた箇所のみテキストに戻って周辺論点を確認する」という逆引きの学習を徹底しています。
一方の論文式対策(短答4科目に租税法・選択科目を加えた計5科目)では、暗記量よりも「論理の組み立て」と「基準の趣旨の理解」が合否を左右します。各校の答練(答案練習会)を活用する際、単に採点結果の一喜一憂で終わらせず、「出題者が何を意図してこの問いを立てたのか」「部分点を確実に拾う構成はどこか」を講師の解説講義から盗み取る姿勢が不可欠です。専門学校の答練は受けること自体が目的ではなく、思考プロセスを試験委員の採点基準にアジャストさせるための訓練場と捉えなければなりません。