一方、日本独自の視点からこの普遍的な物語を再構築し、大きな話題を呼んだのがフジテレビ開局60周年特別企画として制作された『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』だ。舞台を19世紀フランスから、平成の30年間という激動の日本へと大胆にトランスレート。阪神・淡路大震災、リーマンショック、未曾有の自然災害といった実在の時代背景を巧みに織り込みながら、宿命に翻弄される二人の男の物語へと昇華させた。
過去の罪から逃れ、名前を変えて他者のために生きようとする主人公・馬場純(ジャン・ヴァルジャンに相当)をディーン・フジオカが熱演。彼を追い詰める冷徹な刑事・斎藤涼介(ジャヴェールに相当)を演じる井浦新との息をのむ対峙は、まさに日本ドラマ界屈指の名シーンとなった。原作のエッセンスを忠実に抽出しつつ、日本人の心に響く情念と贖罪のドラマに仕立て上げた手腕は高く評価されている。