日本のインド料理店で絶対的な人気を誇る看板メニューといえば、甘みとコクが交錯するバターチキンカレーだ。しかし、本場のシェフが手掛ける一品は一味違う。完熟トマトの爽やかな酸味、高品質なギー(澄ましバター)の豊かな風味、そしてカシューナッツペーストが生み出す濃密なクリーミーさ。これらが絶妙な火加減で昇華されたスープは、まさに芸術と呼ぶにふさわしい。
そして、その濃厚なカレーを受け止めるのが、タンドール窯の壁面に貼り付けて一気に焼き上げる大判のナンだ。外はパリッと香ばしく、中はモチモチとした食感。焼き上がりに塗られるバターの香りが食欲をどこまでもかき立てる。一流店では生地の加水率や発酵時間に一切の妥協がなく、時間が経っても冷めても美味しく食べられる工夫が施されている。