「団子の木」は、主に1月14日・15日の小正月に合わせて行われる伝統行事です。地域によっては「団子刺し(だんごさし)」「繭玉(まゆだま)飾り」などとも呼ばれ、特に山形県や福島県、秋田県などの東北地方において色濃く受け継がれてきました。
この風習の根底にあるのは、日本古来の豊作祈願(予祝行事)です。雪に覆われ、草木が眠りにつく厳冬期において、枝先に色とりどりの団子を鈴なりに刺す姿は、秋に実る豊かな稲穂や、養蚕(ようさん)における立派な繭(まゆ)の姿を模しています。冬の真っ只中に「満開の花」や「たわわに実る果実」を人為的に再現し、神仏に豊作を前もって感謝することで、秋の豊かな実りを現実に引き寄せようという切なる祈りが込められているのです。
また、団子の木には五穀豊穣だけでなく、家族が一年を健康で平穏に過ごせるようにという「無病息災」「家内安全」の願いも重なっています。外の白銀の世界とは対照的に、家の中にぱっと華やかな春が訪れたような温もりをもたらす生活の知恵でもあります。