式典当日の会場周辺は、どこも大混雑する。ただでさえ慣れない振袖姿で長蛇の列に並び、狭い個室へ入った瞬間、どう動けばいいのか分からなくなる人は実に多い。そこで着物のプロが口を揃えて強調するのが、「慌てず、順番を守って布を扱う」という基本原則だ。
「振袖を着ているときの動きは、普段の洋服とは全く別物だと考えてください」と専門家は語る。帯を押し潰さない立ち振る舞い、床に袖を触れさせない工夫、そして何より下着の脱ぎ穿きに至るまで、あらかじめ流れをイメージしておくことが成功の鍵となる。当日に焦って適当に済ませてしまうと、個室を出た後に帯が下がったり裾が乱れたりして、せっかくの記念写真が台無しになりかねない。