老松を語る上で欠かせないのが、柑橘の皮を丸ごと器に見立てた涼菓「夏柑糖」です。戦後の物資不足のなか、山口県萩市や長門市に残る貴重な純系夏みかんの木を確保し、契約農家と二人三脚で守り継いできた歴史を持ちます。
販売期間は毎年4月1日頃から夏みかんの収穫分が終わる7月中旬〜下旬頃まで。職人が手作業で果肉をくり抜き、絞り出した果汁に極上の寒天と砂糖を加え、再び皮の中へと注ぎ込んで冷やし固めます。一口含めば、夏みかん特有のキリッとした酸味とほのかな苦味、そして寒天の瑞々しい舌触りが口いっぱいに広がります。
一方、夏みかんの収穫が終了する盛夏から晩夏にかけて登場するのが「晩柑糖」です。こちらは厳選されたグレープフルーツ果汁を使用しており、夏柑糖に比べてフルーティーな甘みと華やかなアロマ、まろやかな酸味が際立ちます。両者の違いをまとめると以下の通りです。
- 夏柑糖:日本原種夏みかんを使用。酸味と苦味の調和が素晴らしく、野趣あふれる力強い風味。初夏(4月〜7月頃)の風物詩。
- 晩柑糖:グレープフルーツを使用。苦味が控えめで果汁のジューシーさが前面に出た爽快な味わい。晩夏〜初秋のリレー商品。
いずれも天候や果実の作柄によって製造数が左右され、完売や早期終了となる年も珍しくありません。特に夏柑糖の出始めである4月〜5月や、お中元シーズンとなる6月下旬〜7月は予約が集中するため、早めの手配が鉄則です。