離婚後の島倉千代子さんを待ち受けていたのは、さらなる過酷な試練でした。元夫の事業失敗による借金の連帯保証人となっていたことに加え、信頼していたマネージャーや関係者による手形詐欺や裏切りが重なったのです。
気がつけば、背負わされた借金の総額は当時の貨幣価値で十数億円から数十億円規模という天文学的な数字に膨れ上がっていました。自宅や財産を差し押さえられ、毎月のように莫大な利息返済に追われる日々が続きます。
弁護士からは自己破産を強く勧められましたが、島倉さんは「応援してくれるファンや関係者に迷惑をかけたくない」とこれを固辞。自らの歌声だけを武器に、全国のキャバレー回りから地方公演まで、文字通り命を削るように歌い続けました。そして数十年という歳月をかけて莫大な借金を全額完済。歌謡界の奇跡として、その不屈のプロ根性は今も語り草となっています。