日本全国で日常風景となった緑と白の看板。だが、鳥取県民にとってそれは、隣県へ遠征したときだけ味わえる特別な体験にとどまり続けている。かつて大手カフェチェーンが最後に進出した際に見せたあの熱狂に似た空気が、いま再び漂い始めている。
鳥取の消費者が求めるのは、日常のなかに溶け込む圧倒的なコストパフォーマンスだ。ワンコインで本格的なワインとパスタが並ぶあの空間。若者からファミリー層、シニア世代に至るまで、手軽に立ち寄れる日常食としてのイタリア料理チェーンは、山陰のロードサイドに長らく欠けていたピースだった。