劇場の進化はハードウェアだけにとどまらない。上映ラインナップの独自性と厚みも、遠方からファンを引き寄せる大きな引力となっている。特に注目したいのが、ディレクターズ・カット版や過去の傑作を集めたプレミアムリバイバル企画だ。
音響と映像美を極限まで追求するクリストファー・ノーラン監督の名作群や、世界中で社会現象を巻き起こした『オッペンハイマー』の特別アンコール上映などは連日満席に近い盛況ぶりを見せる。息を呑むような重厚なSF映画から、新海誠監督が描く緻密で情緒あふれるアニメーション作品の特集上映まで、幅広い層の心を掴むプログラミングが展開されている。大作の通常上映だけでなく、ここでしか観られない限定上映枠がスケジュールに巧みに組み込まれている点が見逃せない。