理想の住まいや投資案件を探す際、多くの人はSUUMOやLIFULL HOME'Sといった大手ポータルサイトをスクロールすることから始める。だが、大正区のような歴史の長い下町コミュニティにおいて、真に旨味のある物件がポータルの検索画面に並ぶことは稀だ。
「大正の下町では、長年住み続けた高齢の所有者が手放す土地や長屋が、表に出る前に水面下で売買されるケースが圧倒的に多い」と、地元で長年看板を掲げる不動産業の店主は明かす。「相続トラブルを避けたい売り手や、近所に知られずに売却したい所有者は、地元の馴染み業者に直接相談を持ちかける。そうした『未公開物件』は、ポータルに掲載される前に、ネットワークを持つ顧客へ直接案内されて成約に至る」。
ネット上の情報だけで市場を判断していると、出遅れた割高な出戻り物件ばかりを掴まされることになりかねない。ポータルサイトを相場観の把握として活用しつつ、真の良質情報を手に入れるためには、地域密着のネットワークにどこまで深く食い込めるかが勝負の分かれ目となる。