光学の専門家と舞台ライターが実施したブラインドテストでは、メーカーごとの設計思想の違いが鮮明に浮き彫りとなった。国内の二大巨頭である株式会社ビクセンと株式会社ニコンの現行機を比較検証すると、それぞれに際立った個性が見えてくる。
天体望遠鏡で培った集光技術を惜しみなく注ぎ込む株式会社ビクセンのモデル群は、フルマルチコートによる光透過率の高さが際立つ。暗転の間際、わずかなピンスポット光の中に佇む役者の表情も、驚くほどクリアに浮かび上がらせた。一方の株式会社ニコンは、カメラレンズ譲りの歪みの少なさとフラットな像面特性で圧倒する。視界の端に位置するキャストの輪郭までシャープに結像し、舞台全体のフォーメーションを崩さずに鑑賞できる点がプロから絶賛された。レンズコーティングの質やプリズムの精度こそが、長時間の鑑賞でも目が疲れにくい決定的な差を生み出している。