美しい文書を作成する上で欠かせないタイポグラフィの視点では、行送り(リーディング)の比率は文字サイズの1.5倍から1.7倍が黄金比とされる。だが、明朝体やゴシック体などの和文フォントは正方形の仮想ボディいっぱいに設計されているのに対し、アルファベットは文字ごとに高さも幅も異なる。
欧文フォントを游明朝などの標準和文フォントと組み合わせた際、Wordは欧文フォントの基準線に合わせて行送り全体を自動拡張してしまう癖がある。この問題を抑え込むには、フォントの詳細設定から「日本語と英数字の間の空白を自動調整する」の挙動を理解し、段落ごとの行送りを一括管理するルール策定が欠かせない。
文字同士が窒息しない余白を保ちつつ、視線が迷子にならない引き締まったリズムを作る。プロの編集者が手がける印刷物のような洗練された佇まいは、数値をミリ単位で把握するのではなく、ポイント単位での行送り設定を論理的に指定することから生まれる。