本作の製作を務めたのは、岩井俊二監督が主宰する「ロックウェル・アイズ(Rockwell Eyes)」であり、配給は東宝が担当した。当時の日本映画界において、デジタルシネマカメラを用いた実験的かつ先鋭的な撮影手法をメジャー配給の規模で成功させた意義は極めて大きい。
撮影監督の篠田昇が遺した圧倒的な光の設計を継承し、白く霞む逆光、フォーカスの揺らぎ、手持ちカメラ特有の呼吸感を徹底して追求。物語の舞台となる住宅街や通学路、神社の境内といったありふれた日本の風景が、まるで異国の絵画のように幻想的な輝きを帯びる。劇伴音楽も岩井監督自らが手掛け、透明感あふれるピアノの旋律が少女たちの心情と見事にシンクロしている点も特筆すべきポイントだ。