ケーキ4号の満足度を左右するもう一つの難所が「カッティング(切り分け)」です。直径が12cmと小さいため、刃を入れる角度がわずかに狂うだけで、露骨に大きさのばらつきが生じてしまいます。また、デコレーションの苺やクリームが崩れると、もともと小さなケーキがさらにみすぼらしくなってしまうため、現場のパティシエ直伝の正しい手順を押さえておく必要があります。
ケーキ4号を美しく切り分ける3つの鉄則
- 包丁をお湯で温める:金属製の長めの牛刀やペティナイフを用意し、50〜60度程度のお湯を入れた容器に刃先を浸して温めます。切る直前に清潔な布巾で水分を素早く拭き取ります。温められた刃が触れることで側面のバターや生クリームがわずかに溶け、断面が鏡面のように美しく仕上がります。
- 1カットごとに刃を拭き直す:面倒であっても、一度刃を入れたら付着したクリームをキッチンペーパーで完全に拭き取り、再度お湯で温めてから次のカットに進みます。汚れを残したまま切り進めると、断面が濁りケーキ全体が崩れる原因になります。
- ナイフは「押し引き」せず一方向にスライドさせる:上から力任せに押し潰してはいけません。ケーキの中心から外側へ向けて、刃先を滑らせるように一方向へスッと引き抜くのがコツです。
4等分と3等分の実戦テクニック
4等分にする場合は、まず十字に垂直なラインをイメージし、包丁の刃先で表面に薄くガイドライン(傷)をつけてから切り分けます。上面に大きな苺が4粒配置されているケーキなら、苺と苺の間を直線で結ぶように刃を入れます。もし中心に大きな苺が1粒鎮座しているタイプの場合は、無理に苺ごと切ろうとせず、事前に一時的に苺を別皿へ避難させてからカットし、最後に各ピースの上へ均等に盛り付け直すのが最も失敗しない現場の裏技です。 難易度が高いのが「3等分(中心角120度)」です。人間の目は直角(90度)を認識するのは得意ですが、120度を目測で捉えるのは困難を極めます。おすすめは、ケーキの円周をベンツのロゴマーク(スリーポインテッド・スター)の形に見立て、中心から時計の「12時・4時・8時」の方向へ刃を入れる方法です。スマートフォンで円グラフの画像を表示し、横に置いて見比べながらガイドラインを引くと、驚くほど正確な3等分が完成します。