時間の流れと年齢といえば、名作映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が思い浮かぶ。ブラッド・ピット演じる主人公が80歳の老人の姿で生まれ、歳を取るごとに若返っていくという奇想天外な物語だ。動画配信サービスNetflixなどでも広く親しまれているこの作品は、私たちが当たり前として受け入れている「時間の不可逆性」を鮮烈に問いかける。
物語の中では年齢という概念そのものが歪むが、現実世界の社会システムは逆行しない確定的なタイムラインの上にある。もしベンジャミン・バトンのような人物が実在したとしても、法務省をはじめとする日本の行政組織は、肉体の若返りに関わらず「出生からの経過時間」によって機械的に満年齢を算出し続けるだろう。 (出典: 年齢 満 と は(Yahoo!ニュース))
どれほどフィクションの中で時間が自由に操作されようとも、法律は社会の秩序と平等を保つために、一秒の狂いもなく年齢を刻み続ける。「満年齢」という共通の目盛りがあるからこそ、私たちは契約を結び、選挙権を行使し、社会の一員としての権利を享受できるのだ。身近な書類に「満」の一文字を書き込むとき、そこには先人たちが築き上げた緻密なリーガルデザインが息づいている。
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