なぜこれほどまでに人々の心を捉えて離さないのか。臨床心理学者の城島健一教授は「過度な自己責任論とSNSによる比較疲れが蔓延する現代において、彼らが漂わせる『不完全さ』と『圧倒的な生への健気さ』が強烈な救いになっている」と指摘する。
完璧なヒーローが勝利を収める従来の勧善懲悪ストーリーは、どこか遠い世界の話に聞こえてしまう。対して、困難に直面して声を出して泣きじゃくり、それでも泥臭く立ち上がって武器を振るう姿。その情けないほどの泥臭さこそが、厳しい現実に晒されるZ世代やα世代の胸を突く。強がりと弱さが同居するリアルな精神構造に、ファンは自分自身の姿を重ね合わせているのだ。