幼少期に誰もが踊った定番曲には、学校の授業では深く教えられなかった意外な原点と意味が存在します。そもそも世界のフォークダンス 歴史を辿ると、各国の農耕儀礼、祝祭、求愛行動、過酷な労働の中での連帯感をルーツとする民族舞踊がベースになっています。
日本にこれらのダンスが一気に広まった最大の契機は、終戦直後の1946年、GHQの民間情報教育局(CIE)に所属していた教育官ウィンフィールド・ニブロ(Winfield P. Niblo)氏が長崎で指導したことでした。戦後の荒廃した社会において、男女が健全に手を取り合い、民主的で明るいレクリエーションを体験させる社会教育政策の一環として導入されたのです。
代表的な名曲に隠された本来の意味と背景を見てみましょう。
- オクラホマミキサー 振り付けと楽曲の真実:
多くの日本人が「オクラホマミキサー」という曲名だと思い込んでいますが、実際に流れている有名なメロディはアメリカ民謡の『藁の中の七面鳥(Turkey in the Straw)』などです。「ミキサー」とはパートナーを次々に交代していくダンス形式(スクエアダンスのミキサー形式)を指す言葉であり、曲名ではなく踊りのシステム名が定着したという経緯があります。 - マイムマイム 意味と由来:
キャンプファイヤー ダンス曲として絶大な知名度を誇るイスラエル民謡『マイム・マイム』。ヘブライ語で「マイム(Mayim)」は「水」を意味します。旧約聖書のイザヤ書第12章第3節にある「あなたがたは喜びをもって救いの井戸から水を汲む」という一節に基づいており、乾燥した砂漠の開拓地で水源を掘り当てた入植者たちの歓喜の踊りが原点です。輪の中心に向かって駆け寄り、両手を高く掲げる動作は、湧き出る水を全身で称える歓びを表現しています。 - コロブチカ ロシア民謡の哀愁:
ゲーム『テトリス』のBGMとしても世界的に有名な『コロブチカ(行商人)』は、19世紀ロシアの詩人ネクラーソフの長編詩が原典です。行商人の若者が荷物(コロブチカ)を満載にして村を訪れ、美しい少女と出会い、商売と恋の駆け引きを繰り広げる切ない物語を描いています。軽快なステップの裏には、庶民の逞しさと哀愁が秘められています。 - ジェンカ 踊り方と北欧カルチャー:
前の人の肩や腰に手を置き、左右に足を蹴り出して前後にジャンプする『ジェンカ』。これは1960年代にフィンランドの作曲家ラウノ・レティネンが生み出した「レットキス(Letkis)」というダンスが原型です。坂本九の楽曲『レットキス(ジェンカ)』などを通じて日本中に大ブームを巻き起こしました。