高木康行の代表的なパーソナルワークとして知られるのが、写真集『PLANTS』に結実したシリーズである。この作品群で彼がカメラを向けたのは、原生林の大自然ではない。都市の路地裏、雑居ビルのはざま、民家の玄関先や店舗の脇に置かれた鉢植えの植物たちだ。
人工物であるコンクリートやアスファルトに囲まれながら、健気に、あるいは力強く生い茂る緑。誰かに整えられたわけでもなく、静かにそこに存在する植物たちの姿に、高木は都市生活者の生き様や時間の一回性を重ね合わせた。作為的なライティングを排し、自然光の下で静謐に切り取られた植物たちは、見る者に「生きることの根源的な逞しさ」を問いかける。