競合ブランドと比較すると、ZARA MANが持つ特異性が鮮明になる。誰もが知るユニクロ(UNIQLO)は「LifeWear」を掲げ、機能性と万人にフィットする究極のベーシックを提供する。一方のスウェーデン発H&Mは、カジュアルでポップな日常着を圧倒的な低価格で展開する。
これらに対してZARA MANの役割は、日常着ではなく「モードへの入り口」だ。パリやミラノのコレクションで発表されたばかりのドロップショルダー、ワイドフレアのドレープパンツ、ミニマルなスタンドカラーといったアヴァンギャルドな要素を、即座に手の届くプライスで具現化する。ユニクロと同じ感覚で「適当に選んでそのまま着る」と失敗するのはこのためだ。ZARAは着る側のセンスやコーディネート力を試す、極めて刺激的なレーベルなのである。