子供を持たない選択をする上で、避けて通れなかったのが「安倍家」における後継者問題です。昭恵夫人の実家は森永製菓の創業家であり、元社長・松崎昭雄氏の長女という屈指の令嬢でした。一方の安倍家は、元首相の岸信介氏を祖父に持ち、元外相の安倍晋太郎氏を父に持つ超名門の政治家一族です。
家族構成を見渡すと、安倍晋三氏の母であり「政界のゴッドマザー」と称された安倍洋子氏の存在感は絶大でした。一族の宿願である「安倍政権の樹立」と「地盤の世襲」を重んじる洋子氏と、自由奔放な価値観を持つ昭恵夫人との間には、時折メディアで嫁姑関係の軋轢が報じられることもありました。
後継者を残すことが政治家の妻としての至上命題とされた時代において、昭恵夫人が感じていたプレッシャーは想像を絶するものがありました。しかし、洋子氏も最終的には息子の下した決断を尊重し、2026年に洋子氏が95歳で逝去するまで、一定の距離感を保ちながら家族としての絆を維持し続けました。