第1104話の核心は、何と言ってもバーソロミュー・くまが見せた奇跡の行動だ。世界政府の手によって意識を消去され、自律的な思考を奪われたはずの彼が、遠く離れたカマバッカ王国からレッドラインを越え、エッグヘッドへと一直線に向かった。その動機はただ一つ、娘であるジュエリー・ボニーを守るためである。
サターン聖の鋭い脚がボニーを貫こうとしたまさにその瞬間、くまの巨躯が割り込んだ。振り抜かれた拳には、彼が歩んできた極限の苦難、ソロベ王国での虐待、バッカニア族としての宿命、そして愛する娘への思いのすべてが込められていた。このシーン描写における尾田栄一郎の作画は圧巻であり、コマの余白と集中線が読者の鼓膜に拳の衝突音を直接響かせるかのような臨場感を生み出していた。