「あと1点でコールドが成立してしまう」――その極限状態が、時として奇跡的なドラマを演出する。5回表に9点差をつけられ絶体絶命に追い込まれたノーシード校が、その裏の攻撃で粘り強い繋ぎを見せ、土壇場でコールド回避の1点をむしり取るシーンは、高校野球の醍醐味の一つだ。
だが、その一方でコールド負けという結果が与えるダメージも小さくない。特に3年生にとって最後の夏、9回まで戦いきれずにゲームセットのサイレンを聞く残酷さは、球児たちの心に深く刻まれる。実力差を冷徹に示す数値でありながら、土壇場での執念を引き出す引き金にもなる。この二面性こそが、コールド規定の持つ独特の緊張感を生み出している。