芝山努監督のアニメーションキャリアは、日本のアニメ史そのものと言っても過言ではありません。大学卒業後の1960年代初頭、日本アニメの総本山であった東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、アニメーターとしてのキャリアをスタートさせました。
その後、伝説的なスタジオであるAプロダクション(現・シンエイ動画)へ移籍。盟友である小林治氏らとともに『巨人の星』『ルパン三世(第1シリーズ)』『天才バカボン』など、時代を代表するアニメ作品で作画・演出の腕を磨き上げます。
1978年には、小林治氏、山田みちしろ氏らとともに制作会社「亜細亜堂」を設立。商業アニメーションとしてのクオリティを追求しながらも、職人気質で丁寧なものづくりを貫くスタジオ文化を育て上げました。シンエイ動画が手掛ける『ドラえもん』の劇場版監督を20年以上にわたり亜細亜堂の芝山氏が担い続けたという構造は、当時の制作会社間の深い信頼と、芝山監督の突出した実力があってこそ実現した奇跡的な座組みでした。