日本国内の映画ファンにとって、デイビッド・ブラッドリーの存在感を決定づけたのは実力派吹き替え声優陣の名演です。
『ハリー・ポッター』シリーズ初期(第1作〜第4作)でフィルチ役を担当したのは、名優・青野武氏でした。青野氏特有の粘り気のある甲高い怒声と偏屈な言い回しは、日本のファンに「フィルチ=憎めない偏屈親父」という強い印象を植え付けました。
その後、青野氏の病気療養および逝去に伴い、第5作『不死鳥の騎士団』以降のフィルチ役や『ゲーム・オブ・スローンズ』のウォルダー・フレイ役を引き継いだのが辻親八氏です。辻氏は青野氏が築いたキャラクターの陰気さを崩すことなく、さらに冷徹さと凄みを加えた重厚な演技を披露しました。英国人俳優の卓越した表情筋の動きと、日本のベテラン声優の職人技が見事にシンクロしたことで、日本市場における彼の人気は揺るぎないものとなりました。