貴ノ岩の名が日本中に知れ渡る契機となったのが、2017年10月26日未明に鳥取市内のラウンジで発生した元横綱・日馬富士による暴行事件です。
当時、鳥取巡業前夜の懇親会で行われた白鵬、鶴竜らモンゴル出身力士が集う酒席において、貴ノ岩がスマートフォンを操作した態度を「礼儀を欠いている」と咎められたことが発端でした。日馬富士が素手やカラオケのリモコン等で貴ノ岩の頭部を複数回殴打し、頭部裂傷、右頭蓋底骨折などの重傷を負わせました。
この事件を重く見た師匠の貴乃花親方は日本相撲協会を通さず、鳥取県警へ直接被害届を提出。相撲協会の危機管理委員会による調査に対して沈黙を貫く姿勢を見せたことで、協会上層部と貴乃花親方の対立は決定的なものとなりました。日馬富士は同年11月29日に責任を取って現役引退を表明。加害者横綱の引退、貴乃花親方の理事解任、そしてその後の部屋解散へとつながる、平成相撲史最大の暗闘へと発展していきました。